立ち止まって考える。走り始めて10年も経てば、必ずその見直しを迫られる。いつも微調整を続けながら走ってきたと思うが、一度エンジンを止めて、分解掃除を施すことも必要だ。入社10年が経てば、その時期を迎えたといってよいだろう。自分をみつめ直し、再構築する。そのときのチェックポイントを以下にあげておく。
1、会社と仕事の状況
2、金銭の状況
3、家族の状況
4、健康状態
5、生きがい
すべて、当たり前のことばかりだが、これらの項目を丹念に洗い直してほしい。会社と仕事の状況は、とくに念入りにチェックするべき項目である。
自分のキャリァプランとどのくらい近づいているのか、あるいは、かけ離れているのか。軌道修正の求められる項目である。
お金は、どれくらい貯蓄できているかをそれほど考えるべきではない。自分の仕事と、サラリーが見合っているか。そこに着目し、サラリー以上の仕事ができていればよしである。貯蓄のプラン、マイホームプランは楽しく考えるほうが長続きする。せっぱ詰まって考える必要などどこにもない。家族の状況は、配偶者とゆっくり話すことだ。配偶者が何を考えているのか。共通の価値観をもてているかをしっかりと確認すること。ズレがある場合は、早いうちに 修正をするべきだ。
健康状態の確認は、自己責任である。生きがいは難しいテーマであるが、これから先の人生について、ちょっと考えてみるとよいだろう。突き詰めて考えるというよりは、むしろ点検確認するくらいの気持でかまわない。
わき目もふらずに、走り続ける年齢ではなくなったという自覚をもつことができればそれでよいと思う。
人生というのは、ガッガッしても始まらない。そろそろ、その暖昧な部分を実感する年頃になったというくらいに考えることができれば十分ではないだろうか。人生は、何度も山と谷を上り下りする。一山超えるための儀式が当然待ち受けているわけで、その時期を自分なりに設定するほうが、順調な人生を送るコツなのである。
ゆったりと構えることも必要だということを、ここで伝えたかったのである。