チャンスが目の前にあるのに、動けない人がたくさんいる。一度トライして、その結果、どう転んだとしても確実にステップァップできるはずだ。カメラマンの世界では、こうした時期が必ずあるそうだ。年齢的には30歳前半くらいまでの時期。彼らには、何をやっても許される時期があるという。逆にいうと、この時期に何もしない人は、そのまま成長がストップし、それ以後の成長は期待できないという。
芸術の世界やスポーツの世界には、「遅咲きの花」と称される人がときどきいる。しかし、一部の天才を除いて、本当に急成長して、突然世に出るわけではない。たゆまい努力を続けたからこそ、その成果が認められる。たまたま、時間がかかっただけなのである。
先ほどのカメラマンの世界に話題を戻すと、努力を積み重ねていれば、ひょっとしたら40代になってからでも頭角を現すことができる可能性は残される。しかし、30代に何も努力しなければ、才能は眠ったままだ。才能の芽が育つ可能性もない。やはり、努力の積み重ね以外に、世に出る方法はないのである。
チャンスが目の前を行ったり来たりしているうちに、早く行動を起こして、キャリアに結びつけてほしい。そのきっかけは、誰にも平等に存在しているのだから。
そこで、精神面の弱さをいかに克服するか。人それぞれに克服法をみつけてほしいのだが、私個人は瞑想に取り組むことで、ストレスの発散、精神の浄化をはかっている。瞑想をすることで、肯定的で建設的な効果を上げているといえる。ただ静かに座ることで、精神が浄化される。
瞑想が万民に効果があるかどうかは別問題。心の中で無になる部分をいかに作り出して、新たなものを吸収する力を得るか。精神面のケアを考えるならば、刺激よりも癒しが必要だ。心の余裕がなさすぎるために、何事にもトライできないまま中途半端に終わる人が実に多い。
カメラマンの話ではないが、誰もが、彼に期待し、チャンスを与えているのに本人だけがピクリとも反応しない。できないのである。精神面の部分でどこか弱さがあるのだろう。
自分の弱さを知る。やる気を起こすためにはあらゆる面から自分自身をみつめてみることだ。気持の弱さが目につくなら、その部分をケアして、力に変えてほしい。
なぜ、自分はできないのか。そのことを徹底的に考えてみるのも、キャリアメークにとって必要な作業である。