自分を枠にはめないで行動することが、キャリアメークには不可欠の要素であると、言葉を換えて繰り返してきた。最終的には、自己限定というつまらない殻を破る以外に成功はないと考えてほしい。
そこで、お勧めしたいのは「ヤドカリ」的な発想である。自分にあわない殻をかぶれば重くて動けない。かといって、小さすぎると、これまた動きがとれない。ヤドカリは、自分の大きさをよく知っている。ちょうどよい殻をかぶって動き、小さくなればさっさと脱ぎ捨てて、次の殻をみつける。この殻をキャリアの目標と考えれば、わかりやすいのではないだろうか。
まず、「枠組み」「目標」といったものは自分の度量にあったものを選ぶ。決して見栄を張る必要もないし、小さくまとまってしまうこともない。「1+1」は簡単すぎるし、微分積分をいきなり始めるわけにもいかない。二桁のかけ算くらいを着実にこなす。これが実績となって、次のステップに移っていく。自分に一番見合った殻を上手にみつけることが、自己限定というちっぽけなしがらみから解き放たれるコツと考えてほしい。
さらに、楽しくおおらかに生きよう。難しく考えればきりがない。楽観主義が、ときにはよいものだ。自分は、こんなはずじゃなかったなどと考えてばかりいると、つらくなる。思い切って、前に進むためにも、おおらかな気持で臨みたいものである。
自分は何をやりたいのか。自分は何に向いているのか。具体的に目標に近づくためにはどうすればよいのか。順序立てて考えていけば、自己限定などはどこかに飛んでいってしまうだろう。キャリァメークというと、何か特別のことを始めるような発想になって、何もして いないのに硬くなってしまう人がいる。キャリアという言葉の響きが何となくしっくりこないのであれば、自分ができることをどうやって成功に導くかだけを考えればよい。目の前の仕事をこなし、結果を出す。一仕事終えれば確実に自分は成長している。
そんな繰り返しがキャリアメークである。 結局、私が伝えたいことは、キャリアメークが決して難しいことではないということ。誰でもできるということ。いますぐ始められることなのである。だから、自分の 殻になど閉じ込もっている暇などないのである