若いうちであれぱ、いくら怒られても肥やしになる。ところが、ある年齢を境に、声を掛けてくれる者さえいなくなる。それが40歳で、デッドラインであると考える根拠である。
カメラマンや物書きの世界の人たちに聞くと、「デッドライン40歳説」の信懸性は高い。若いうちならば、失敗も許されるが、40歳を過ぎたら、初歩的な失敗をすれば即、相手にされなくなる。同時に、細かなアドバイスを与えてくれる人もいなくなるのがこの年齢だと聞いた。
40歳までにいかに成長するか。しかもいくつになっても小言をいってくれるブレーンをまわりに配置するかで、その後の成長に違いが出てくるそうだ。
サラリーマンにとっても、この悲しい現実は当てはまるような気がする。40歳になった者に、気安く声を掛けてくれる人はいない。よくても悪くても、自分で考え、決断していくしか道は残されていない。
決め時というのだろうか。そろそろ、仕事そのものの方向性、身の振り方に結論めいたものがみえてくる。そのとき、どんな方向性が考えられるのか。ここで整理しておこう。
1、現状の仕事をそのまま続けるー昇進はできるのか。どんなポジショニングでまっとうするのか。そこまで決めてかかるべきか。判断のしどころである。
2、転職するー自分自身に、はたして市場価値はあるのか、冷静に判断すべきだ。
3、独立するーベンチャ‐への挑戦。はたして勝算はあるのか。人脈はあるのか。
それぞれに、決断力を必要とする項目であるが、勇気と、判断力、そして洞察力をもって、自己分析してみよう。キャリアメーキングの、最終ゴールを定める時期でもある。いつかは、この日がやってくると考えておくべきだろう。
何度も、迷って、決断を変えることも人生だが、40歳という節目の年齢で下す決断の意味は大きい。
もう、誰も、その判断に口を挟むことはない。おそらく、自分一人で決める以外にない決断である。決めたら、走るしかない。キャリアメーキングとは、最終的に、自分がどこまで、どんな形で走り続けられるかを表現する行為ではないだろうか。
40歳ー私からすれば、うらやましいほどに輝いている年齢でもある。ここで、人生は終わりではない。ただし、本当の意味での自立のときを迎えていることを、肝に銘じてほしい年齢なのだ。