ここまでくると、みなさんの応援団になったような気分である。人をその気にさせるというのは本当に難しい。報酬を餌に仕事をさせる経営者もいるが、それでは、長続きはしない。いくら稼げるかも大事なことであるが、心の底から頑張ってみようという気持が先行しないとろくなことはない。
どうすれば、キャリアメーキングを実践できるのか。この質問も何度も聞かされてきた。そのたびに、行動しなければ何も始まらないことを語ってきた。最近は、成果主義の実施とともに、コンピテンシー(能力評価基準)が注目されている。学者やコンサルティング会社によって違いがあるが、参考として20の尺度をまとめておいた。とはいえ、最初の一歩を踏み出せないでいる人が実に多い。結果を恐れるから動けないのか、本当はやる気がないから動けないのか。私にはわからないが、とにかく、何も始めようとしない人が大半で、そのままチャンスを逃してしまうことが多い。
「やりたいことをしていいから、さあおやりなさい」と何度いわれても、行動に移せない。なぜなのか、こちらの側が聞きたくなる。行動できない人は、何が足りないのかを教えてほしくなる。
そんなとき、「みんな、悩んでいるんですよ。そんなに強くないし、自信もない」といったコメントをしてくれた仲間がいた。大学で、学生と接する機会が多いからなのか、若い人たちの気持を代弁して話してくれた。しかし、それで納得するわけにはいかない。とにかく一歩を踏み出さない限り、何事も起こらないのだから。思わず、「われわれは自由だ!」などと叫び出したくなっ てしまう。
ポジティブに物事を考えることを跨踏してしまう。その背景には、本当にやりたいことがみつからない。あるいは、そのイメージの方法が稚拙であることが原因にあるのだろう。若い人が、自分に自信をもてないと語る以前の問題として、イメージする力の弱さがあるような気がしてならない。
私は、みなさんの応援団のつもりでいる。だからあえて声を大きくして語りかけたい。
「人生はオプションの固まりなんですよ」と。
自分がイメージすればいかようにでも変わる、変えることができる。行動力は、その人がもっているイメージによって支配されるもの。だから、前向きに思い切って行動する気持を大事にしてほしい。
もう考えている暇はない。行動を起こす。その日1日の目標とゴールの設定からでよいから始めよう。キャリアは結果としてついてくるもの。怖がらないでほしい。楽しく、トライしてみよう。