日本ヒルズ・コルゲートの越村社長は.提案力が重要な要素であることを指摘している。
「学生時代は、どちらかというと記憶力で評価されていたように思います。ところが、会社に入ればどこの大学を出たかと言うことはほとんど重要視されません」
つまり、偏差値の高い大学に行くことが評価の対象につながってきたものが、社会に出ればそんなことはいっさい問題にされない。日本企業では、まだ学閥といった考え方がまかり通っているところもあるが、その状況は変わりつつある。金融機関や官庁といったところにその傾向は依然として残っているが、そうした組織が硬直化を起こしていることから考えれば、単純に頭の良さだけで
は仕事はできないということはお分かりいただけるだろう。
「最も大切なことは、本人がどういった提案力、創造力を持って仕事に当たっているかということ。これを非常に問われるのが外資系企業の特徴です。また、提案力が高く評価される仕組みになっているという見方もできますね」
指示待ちでいるのではなく、自ら提案し、積極的に行動を起こす人が非常に高く評価される。当たり前のことだが、日本の企業では、被極性が徒になるケースが少なくない。
「企業も変わらなければならない時代を迎えていますが、少なくとも外資系企業では新たなチャンスを与えるという気風は非常に強いですね。階級制度の中に押し込まれてしまっている日本の企業と違って、トップと社員とのコミュニケーションが大変密にとれているというのが特徴です。その環境で、提案力を持てないというのは致命傷になります」
上司の指示に忠実に動く人材の集団と、常に新しい提案を行う人材の集団。組織力で見るならば評価の方法は難しいところだが、目先の実績を上げることだけを考えないで、長期間の物差しで見れば提案力は大きなエネルギーになることは間違いない。
大竹氏が指摘した「自炊性」と越村氏が必要な人材屑として上げた「提案力」のふたつはやはり欠かせないものだ。