日本にいま、元気がない。 閉塞感が漂い、社会的なイライラとストレスが充満して、日本全体が爆発寸前にさえ見える。イライラとストレスが人々の心にこもり、「心の病」となって、数多くの社会問題を引き起こしている。両親による児童虐待、小中学生の凶悪犯罪、引きこもりやうつ病など、 心の病から来る悲劇は、近年、急増している。
ビジネスマンの心の病も問題だ。自殺者が五年連続して三万人を超え、家出も二年連続で10万人を突破している。ことに、もともとストレスをためやすい50代のビジネスマンに、自殺も家出も増加傾向が顕著だという。
こうした現象を見るにつけ、日本社会全体の生命エネルギーが減少しつつあると思われてならない。その最大の原因は、日本人の精神と神経が疲労しきっていることにある。近年のビジネス環境は情報過多であり、これが長年にわたって蓄積されてきたストレスと相まって、人々の頭脳が正常に稼動できない状態にあるように思う。 なかでも、最も疲労しているのは日本の経営者であり、ビジネスマンだ。
いまや、日本経済の右一肩上がりの成長は期待できない。バブル崩壊とグローバル化、I T化、そしてデフレと、経営環境は激変した。日本経済全体が未知の領域へと進み、数多 くの企業が赤字へと転落している。
こうした状況のなか、日本のビジネスマンは赤字とリストラで、文字どおり「身を削る」 日々を送っている。寝汗をかいて夜中に飛び起きる、激しいめまいや手足の痺れを感じる、そんなビジネスマンも多く、気づかないうちに、心身症、胃潰傷や高血圧、動脈硬化など になってしまう例も珍しくない。世界で最も「仕事人間」である日本のサラリーマンが、 こうしたビジネスのストレスに一番弱いのである。
私自身も、30年にわたりサラリーマンとして日本企業で働いてきた。だからこそ、多くのビジネスマンがどれほど苦しんでいるか、それが痛いほど分かるのである。
かつての私はこのような辛苦を逃れ、楽しく意欲に満ちた人生を手に入れた。そして、この幸せな変化は、日本で苦しむビジネスマンのどなたにも起こせるものだ。
そのカギとなるのが、瞑想なのである。