私は昨今2代目社長のコーチングを頼まれることが多い。
その実体験から2代目が社長を引き受けた当初、陥りやすい3つの罠とその心構えについて述べてみたい。
2代目社長の引き受け方の状況にも色々ある。
創業社長の突然死で、若くして社長になるケース高齢になって後を継がせたものの、まだまだ創業社長が元気いっぱいのケース等々・中小企業ににリーダー育成プログラムはない。突然後を継いで途方に暮れる2代目も多い。
①まだ元気いっぱいで口を出したい創業社長と心理的な葛藤を起こすな
創業社長は創業に対する想いがあり、大半は個性が強く、思い込みも甚だしいようだ。2代目は高等教育を受けてはいるが、経営の修羅場をくぐったことがなく、通常腹が据わっていないケースが多い。「譲る」と言っても心配で心配で、口を出してくる創業社長。創業社長に自分を認めさせきちんと職務を区分することがまず大切。
②創業者の大番頭を上手に使いこなせ
当然大番頭には「実務のわからない2代目が一」の意識がある。2代目も「経験だけに頼りがちな番頭が一」と思いがちになる。大番頭の実力を見極め、その長所を如何に活かしていくか、どう折り合いをつけていくか、2代目の器が問われるところだ。
③新しいことをすぐに始めず、まず会社の状況に精通せよ
2代目はMBA出身者も多い。会社の現状が古色蒼然に見えがちでとかく戦略とか新しいビジネスモデルに目が向く。ひいては仲間を引き入れ、創業者に対抗する意識で新規事業を考えだす。新しいシステムを導入する。現場の反発で会社全体が動かない。最終的に失敗する。最初の1~2年は動かないこと。従業員の性格、個人のビジョン、会社の数字、顧客、現場等々会社の全てを熟知することが先決だ。その後、自分の個’性をじっくりと出していくことだ。