ゴールを明確に設定できる人はきわめて少ないと思う。キャリアメーキングはゴールを設定し、成功のイメージをもつところから始まると述べてきたが、その出発点が、実のところ最難関なのである。
おそらく、スタートの段階でゴールを設定しているのは、五%程度に過ぎないだろう。現状では、100人いれば、そのうちの五人だけがキャリアメーキングの成功者になれる資質をもっているということになる。しかし、残りの95人のうち、70人近くの人にはその可能性が残されていると思う。最後の二五人に関しては、能力がないというのではなく、関心をもたない存在と考えたほうがよさそうだ。
その気になれば、約七割以上の人たちにキャリアメーキングのチャンスは残されている。己のキャリアに対して関心をもてば、必ずキャリアメークの道を進むことはできる。いまは、その方法論を必死に学んでいるときなので、ゴール設定に関しても、ハウツーを学ぶ気持で取り組んでほしい。
ゴールは必ずしも固定されたものではない。どんなに頑張っても思うように進まないことはあるだろう。そのときは、勇気をもって、ゴールの変換を考えればよいのだから。キャリアメーキングのスタート段階で設定するゴールは目標という言葉に置き換えてもかまわない。自分を客観視した上で、目標を設定してみよう。
いつまでたってもゴールを設定できない人のタイプは、非常な固定観念で物事を考える。ゴールのみを客観視してしまうあまり、実際に行動する自分自身が、そのゴールに見合う存在ではないのかもしれない、といった不安に駆られる。
結果的に、頭の中で堂々巡りを繰り返すばかりで、なかなか目標を設定できないのである。いい換えると、ゴールを設定できないのではなく設定しようとしないことになるだろう。固定観念を取り払って、もっと自由に発想しよう。
自分はこんな人生を歩んで、こうなりたい、素直に目標を書き出してみればよい。
その先に、自己を客観視しながら、具体的なプランニングを構築する。そして、モチベーションを高く維持しながら実行する。具体的なゴールの設定方法については、次に紹介する事例で研究してみよう。