まず、参考に私の「Who am I ?」を書き出してみた。
「人間が大好き、好奇心がきわめて旺盛、官僚主義は肌に合わない、気まじめな正義感、商売好き(神戸の国際的な商人の血が流れているのか)、けれども金には淡白(金が必要なら、そのときになれば天が与えてくれるという楽観主義)、ミーハー的傾向、そのくせ、何か精神的なものに強く惹かれる」
こうやって書き出してみると、自分のことが客観的にみつめられるようになってくる。私の場合、漠然とではあるが、「会社にしがみついたままの人生はいけないな」という感覚か生まれたものである。ただ“こうした書き出しが、すぐにゴールの設定に結びつくことはない。何をやりたいのかはこの先かなりの時間を掛けて悩むことになる。私がそうだったからいうのではないが、そんなに結論を焦ってもろくなことはない。せっかく自分をみつめ直す機会を得たのだから、とことん自己との対決を楽しむくらいであってほしい。
ただ、自分をみつめた段階で強く認識すべきことがある。「自分の人生は自分でデザインする」ということだ。とくに20代のサラリーマンには、できるだけ早い段階で、自己分析の機会をもつてほしい。
①自己評価
②他人からの評価
③個人的な時間の使い方
④人間関係の構築方法
⑤自身の長所と短所
⑥自分の強みと弱さ
⑦そして、現段階におけるスキルの確定
これらの項目などを中心に、範囲を少し広げて、自己分析をもう少し詳しく行なってみよう。ここまでくると、かなり自己分析も充実したものになる。
言葉でいくら説明しても仕方のないことだが、こうした作業を自分の内面と向き合って実行することが、これから先の人生に大きく影響する。一度も自分と向き合ったことのない人間が発する言葉には説得力がない。友人の大学教授が、学生たちに抱いた失望は、彼らに自分と向き合った痕跡がみられなかったからである。
みなさんが、いまの段階で、自分の将来について考えたとしても、おそらくそれほどの説得力はもち得ていないはずである。ただ前向きで、ガッッのある人材はいくらでもいる。しかし、それだけでは評価できない。冷静に、自分を客観視する作業をもう少し続けてみよう。