ますますグローバル化するこれからの時代は、どのようになるのでしょうか。
①「世界は一つ」には光と影がある
世界同時不況時に見られたように、一国の問題が他国に瞬く間に波及する怖さがあります。
よくも悪くも「世界は一つ」であることを認識して、考え、行動、発信できる経営者が必要不可欠です。
そのためには、若いときからの異文化対応も必要でしょう。日本の若者はどんどん世界に出て、あちこちで紛争が起こり、多くの人が貧困に苦しみ、飢えで死んでいく現実を自分の目で見ることです。自分を甘やかすことなく、世界の現実をしたたかに見つめた若者が、将来のリーダーに育っていくでしょう。
②変化の高速化
今後ますます多くの変化がスピーディに起こるようになります。あわてず対処する胆力が必要ですが、同時に、「考えて、考え抜く力」が大切になってきます。借り物の意見ではなく、自分の頭で考える。そして、謙虚にしつこく実行していくことです。ユダヤ商人やアラビア商人などと伍していくには、もっとしたたかにならなければなりません。うぶな独りよがりの優等生では、今後の世界では生きていけないでしょう。
③夢を与える力
第44代アメリカ大統領オバマの就任演説を聞いて、多くの人々が鼓舞されたと思います。
ニューディール政策を成功させたフランクリン・ルーズベルト、奴隷解放を成し遂げたリンカーン、ケネディら歴代の名大統領と並び、将来に希望を与えたオバマ大統領のモットーは、「ドリーム・ビッグ(大きな夢を持つこ)」「シンク・ビッグ(大きく考える)」だといいます。
きわめて明確な戦略です。彼はとてつもなく「ブライト(利発な)」な人物なのでしょう。
彼には全世界に訴えかける夢があります。あらゆる人々に、同時不況下でも「ひょっとすると?」と思わせるのです。この「夢を与える力」、「人々を一つの方向に引っ張っていく力」が、経営者にも必要な要素です。
(注:この記事は2009年に執筆。原文そのまま掲載してます。)
資源を持たない日本は、世界と伍して闘っていくために「人」という資源を最大限に生かしていかなければなりません。そのためには世界一流の経営のプロが育ち、企業や組織を活性化し、人材を育てていくことに尽きると私は考えています。
オバマ大統領をモデルに挙げましたが、もちろん日本にも例はあります。私たちは明治時代の経営者の気骨も見習うべきでしょう。
最後に、三菱財閥の四代目当主・岩崎小弥太の「三綱領」を挙げます。これは90年後の現在においても適切な理念だと改めて思います。
私の使命は、コーチングを通じてこのような人材を育てることだと考えています。
(1)所期奉公(公益重視)
(2)処事光明(情報公開 透明性の堅持)
(3)立業貿易(グローバル事業の推進)