AMP(Advanced Management Program )は、大企業エリート向けの上級経営者コースです。ハーバード大学ビジネススクールの最終コースで、世界中から一流企業のエグゼクティブが集い、最強の人脈を作ると称されます。春と秋の年二回開催され、私はAMP90春106期に出席しました。28ヶ国、155名の参加でした。
プログラムは13週間の完全寄宿生活によるケーススタディの短期集中学習でした。
参加者の平均年齢は47~48歳という典型的な「50の手習い」です。課せられた読書量が圧倒的に多く、ともかく時間がありませんでした。
その上、経営理論に加え、人間形成も目的とするので、パーティ、8人いる教授宅への招待などのふれ合い、美術鑑賞や音楽会など文化的な活動も多くあります。時間を捻出して、飲むニヶーションにも頑張りました。
必須八教科のうち最も好きだったのは、リーダーシップ論の第一人者で経営学者のジョン・コッター教授の講座「Leadership and Organizational Behavior」(リーダーシップおよび組織行動)でした。
①経営者の第一の責務は「利益を上げること」である
どんなに立派な哲学、信念を述べても、利益を上げないと評価されない。
②自分のエゴの肥大化に注意をすること
人間には必ずエゴがあり、最初は小さくても、トップにあがるとエゴが段々と大きくなり、手がつけられないようになってくる。自分を戒めつつ、経営に携わっていかなければならない。
なるほど、アメリカの大統領の三選が禁止されているのも当然である。
講座の前半では、トップの役割とリーダーシップの本質を考察します。成功者、失敗者とも著名な経営者をモデルに、人間像、企業内での経営者像、業績、資質を丸裸にします。
後半は一転して、参加者のリーダーシップと内面を透察させます。「自分は優れた経営者になり得るか」、「将来のキャリア上の目標をどこに置くべきか」などを自問させるのです。
この講座で、二つの教訓を学びました。
AMPを終え、帰国してから、私はこの教訓を嫌というほど骨身に徹し味わうことになります。